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山紫水明 稜線山海回帰06
籟山陽は山紫水白、後に山紫水明となる言葉を生涯愛し、平田玉蘊は生涯を画業に専念し女絵師として平田家を絵筆一本で守り抜きました。山陽と玉蘊の二人は、あの日岩子島厳島神社に立ち、筆影山に沈む夕日を見ていた。そこで二人は何を話したのかは誰にもわからない。結ばれることはなかった二人であったが、二人は生涯心の恋人であり、生涯の友であり、生涯互いの生きる道を刺激し合い語り合い過ごしました。私は二人を知れば知る程に吸い込まれていきました。山紫水白そして山紫水明二人のみたその光を知りたくなってこの浜に立ちました。何日が過ぎたでしょうか、夕日が沈みやがて漆黒の夜空になるほんの少しの時間でした。山は紫色に、そして残光が放たれ海は白く染まったのでした。その場に立つ私は、山陽が暮らし終焉を迎えた京都の山紫水明舎の意味かが分かった気がした。
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